思想の花びら 2013年 7月23日


 ●  アラン (哲学者) のことば

  だれだって、危い賭けをするおそれがなくなったとたん、巧みに考えるくらいなことはする。文体は、あえて危地に身を置くことを私に強いる。   

 



 ●  亀井勝一郎 (批評家) のことば

  宣長は何故 「あはれ」 をこれほど重んじたか。言うまでもなく人間の言動に対する従来の価値判断への不信に発していた。儒教風の 「善悪」 で判断することを極度にきらった。あるいは仏教的な立場から、悟りを得たとか得ないとか、そういう面から判断することにも強く反対した。「古事記伝」 の 「直毘霊」 でも述べているように、「おのづからのまにまに」 という人間性の在るがままの相に直入しようとしたのである。すべての偏見や先入観を捨てようとした人の、端的な感動を 「あはれ」 に見出したのである。そこに人間性の複雑な ニュアンス を、はっきりみようとしたと言ってもよかろう。

 


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