思想の花びら | 2018年 1月15日 |
● アラン (哲学者) のことば
未来とは、ある意味で、僕らにはいつも現在だとさえいえよう。たとえば、僕のいるこの町から地平線までの距離が、可能な未来というものでなければ、いったいなにを意味するか。同様に、空間のいろいろな大きさにしても、時間との関係、実際であると同時に可能な時との関係なしにはあるがままではない。時間の可能性は位置の形で考えられていることを申し添えたい。なおまた、前とか後とかいう言葉が、時間とともに空間も限定していることはいうまでもない。こういうことをくどくど述べるのも、学者によっては、僕らの思想の秩序たる時間と物の秩序たる空間というふうに両者をあまり区別したがるからだ。
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● 亀井勝一郎 (批評家) のことば
私たち人間が、自分の頭のなかで考へた救済、救ひの観念といふものは一体正当か。まづこゝに思ひを致すべきでせう。われわれ人間は非常に虫がいゝのです。救はれないことをやり、それを知りながら、万一の救ひを望んでゐるものです。
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