思想の花びら | 2018年 6月15日 |
● アラン (哲学者) のことば
もし目に見えない形式という組織がなければ、僕らの記憶に、なに一つ確かなものを与えてはくれない、形式の諸関係があればこそ、すべての物が秩序立てられ、計量される。僕が注意したいのは、設けられ考えられたもので、決して現在はしていないが、たとえばこの建物の丸天井とか柱とかと同じように云々できる、この地球や地球の軸とか極とか子午線とか赤道とかいうものだ。
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● 亀井勝一郎 (批評家) のことば
美術研究といふ名目も、「教養のため」 といふ心がけも、「過去のものと現在のもの」 といふ分別も、悉く我らの煩ひなのであらう。それらを去って畢竟私の心に湧いてきたのは一片の信心だけであつた。諸〃の菩薩像が私にかくあらざるをえぬやうに強ひたのだと云つてもよい。わが身にまつはりついた一切の雑念邪心を放下して、たゞ無心の裡に仏自らの運命の物語を聞くといふ態度のみが正しいのではなからうか。
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