思想の花びら 2018年 7月15日


 ●  アラン (哲学者) のことば

  類推には、なにもたとえば両者が同じように感ずるとか動くとかという共通な性質を必要としない。ただ悟性にだけ語りかける関係というものの一致があればよい。だからこそ類推は完全なときに最も目に入りにくい。(略)
  類推の根源とか範型とかいうものは、類似というものがまったく除かれて、相違した物のなかに関係の一致だけしか残らない最高級の数学のうちにある、と。ここでは、幾何学者は、想像に、類似からくる間違った証明を与えるということもほんとうだ、観測者が符号の厳正さによって正しくその眼力をみがくには、高級な数学にたよるほかはない。数学者がさきで、物理学者があとだ。

 



 ●  亀井勝一郎 (批評家) のことば

  一切を他人事として、「客観的」 に論ずる、かゝる態度を私は官僚的とよぶのであるが、今日の官僚よりも、今日の評論家思想家の方がよほど官僚的になりつゝあるのは注目すべき現象だと思ふ。

 


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