思想の花びら | 2018年11月 1日 |
● アラン (哲学者) のことば
ここに重い石があるとする、手を離せば落ちる、石を落とすなり、石に僕の手を押しつけるなりさせる原因は、石の重さだという、重さは石のなかにあるという。ところが石のなかにはない、(略) 石が重いとは、石と地球との間に、両者の距離と質量に依存する力が働いている、という意味だ。(略) この重力は、地球のなかにも石のなかにもない両者の間にあって、両者の共有である、僕らにいわせれば、考えられた関係であり、形式だ (略)。
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● 亀井勝一郎 (批評家) のことば
デッサン の確実な修練を経ない 「印象派」 (即ち絵画における映画) に堕して行く。見物の期待するものも正にそれなのだ。どんな 「物」 が写されたか──その 「物」 の迅速な成立を興じてゐる。かくて自分はみられてゐる、周囲のものはみてゐる──平静な無感覚状態の生産──たしかにこれが技術の世界といふものだらう。しかし秘義の世界ではあるまい。
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