思想の花びら | 2021年 6月 1日 |
● アラン (哲学者) のことば
(略) 僕になかなかいいことを言ってくれた。他人の考えを変える思想の力とは、自分には一種の暴力に思われた、と。もっともだ。多数人にとって、思想とは職人のようなもので、保護者を持っている方が勝つに決まったものだ。なんとかして僕をものにしようとかかる作家は、実際、僕は大きらいだ。能弁の無価値な理由の一つもそこにある。精神は孤独でなければならぬ。
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● 亀井勝一郎 (批評家) のことば
どんなときに批評家としての生き甲斐を一番感じるかと云へば、文学の場合には、何と云つても感動した作品に出会ふこと、その作者から直接に教をうけるときである。そしてその作者の肖像を描くことが喜びである。批評の最高はこの意味で云ふなら「讃歌」をかくことにつきると云つてよい。随分悪口もかくし、悪口も云はれるが、批評家としての喜びは何と云つても快く「讃歌」を書けるときであり、私はそれを人生の幸福と思つてゐる。
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