思想の花びら 2021年 9月 1日


 ●  アラン (哲学者) のことば

  人は意志の力で笑うこともできる。ことに微笑することができる。この心の動きは情熱に抗していちばん強く働くもので、微笑こそ意志の、というのはもう前にも言ったはずだが、理性の本質の最高の標識だとさえ言いたい。

 



 ●  亀井勝一郎 (批評家) のことば

  唯一の神に対する帰依の絶対性が要求されていることである。ギリシャ においても、また日本においても、宗教は多神教的である。様々な神が存在し、またそれにたいする解釈も各人に自由意志による面が多い。これはある意味では信仰の自由性を保つ上に大切なことにちがいないが、しかしそのために信仰が純化されるかどうか、反面の危惧が出てくる。各人のほしいままな解釈がはびこり、人間の心が分散する危険が生ずるのではなかろうか。
  これにたいして エホバ の神は強烈な統一力を振るものである。エホバ 以外の何ものをも神としてはならず、また各人は自己のためにいかなる偶像をもつくってはならない。信仰の自由の名において様々な偶像をつくるものに対しては、さきに述べたように嫉みの神として痛烈な復讐を行うのである。

 


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