思想の花びら | 2021年10月15日 |
● アラン (哲学者) のことば
恐怖の念をおこさせるものは正しく想像だ、想像物の不安定だ、まぼろしの原因でもあり同時に結果でもある唐突なつぎ穂のない心の動きだ、要するに、事物の力につながりがもてず、ただ事物の提供するやくざな手がかりに頼っている行為上の無力が恐怖の種を作るのだ。
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● 亀井勝一郎 (批評家) のことば
ついに釈放され脱出しても、(略) エホバ は彼らの前途に決して安易な道はおかない。救いではなく、次々と試練をおく。同時に人間の習慣性がいかに根ぶかく強いものであるか。イスラエル の民は脱出のための苦難よりは、むしろ奴隷であることの安易さを選ぶと言っているのである。あらゆる意味で困難の回避こそ 「奴隷状態」 というもので、エホバ は様々の奇蹟を行って彼らを救うが、その次には更に倍加した困難を課する。奴隷から神の選民に至る道のいかに険しいかを、「出 エジプト 記」 ほど巧みに語っているものはないであろう。そして最後にはあの峻烈な十誡が下されるのである。
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