思想の花びら | 2023年 4月15日 |
● アラン (哲学者) のことば
きずなが堅ければ、そこに生れる友情はいよいよ強く長続きのするものとなる、因人とか学生とか兵士とかの間に生れる友情のように。だが、なぜか。もし僕らが自由な身なら、まず拒絶せざるをえないものを、強制が受諾させるからだ。そしておたがいの親切は、たとえ強制された親切でも、明らかないろいろの記号によってまた新たに親切を目ざます。
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● 亀井勝一郎 (批評家) のことば
あわせて、東洋の思想家には受難がないということも、私の注目をひく。受難ということばの内容にもよるし、またまったく無かったとも云えないが、たとえば釈迦にしても孔子にしても、長命を保って自然死をとげている。死刑という異常死はここにないという意味で、私は受難がないと言うのだが、自然へ寂滅してゆくすがたと、十字架や毒杯といった異常なあかたちで生命が断たれるのと、死におけるこの二様の相の裡に、東洋精神と西洋精神の特徴を考えることも出来るのではなかろうか。
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