思想の花びら | 2023年 5月 1日 |
● アラン (哲学者) のことば
信義はどうあっても愛したいというところに成立する。ここで順序を転倒しないように注意しなくてはならぬ。愛着の力で愛着が信義あるものとなるのではない、愛着を強くするのが信義の力なのだ。だから、必然の僕らを信義ある人にする事実の強制というものに、あまり不平を言わぬようにもしなければならぬ。ただ、強制された信義はあまり目先がきかぬものだし、みずから欲するものを生む力も弱いし、要するにずるずると満足してしまうものだということは言っておく。持っている愛を、手をつくして利用しなければならぬ。
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● 亀井勝一郎 (批評家) のことば
エロス は、「産む」 という観念を無視して存在しない。プラトン の饗宴に出てくる恋愛の神であるが、まず注目すべき点は、プラトン はここで恋愛の基礎として、人間は死ぬべきものであるという大前提を置いていることである。人間は死ぬべきものであるが故に不死性への憧れをもつ。恋愛とはこの不死性への憧れだというのである。ここに プラトン の恋愛論の核心がある。したがって不死のための生の連続として 「産む」 という行為が中心になるのは当然である。
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