思想の花びら 2023年11月 1日


 ●  アラン (哲学者) のことば

  適当な体操の力で一瞬にして魂を清めうる、(略) 実行が信仰に人を導く。やってみてうまくいかない人には、僕はやりかたが悪いのだと言ってやる、つまりただ単純に実行しないで信仰しようとばかり念ずるからだ。

 



 ●  亀井勝一郎 (批評家) のことば

  宗教人に対して、モンテーニュ は典型的な自然人である。そこには祈りもなく苦行意識もない。罪悪感もない。悠々として人生を楽しむ人がいる。「私は人生の若草を見、花を見、果実を見て来た。そして今や私は、その冬枯の様を見ている。幸福なるかな。何となればそれは自然であるからだ」(「随想録」 第三巻二章) 自己の生涯に向って幸福なるかなと言いうる人はまことに少い。死もまた彼にとって自然である。生きる時に我々は様々な習慣に従うが、モンテーニュ は同様に死ぬことに対してもこれを習慣化しようとした。死をあたりまえの習慣とする人はまことに少いものである。

 


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