2003年10月 1日 作成 | 「理論編第7章 (推論)」 を読む | >> 目次に もどる |
2006年 7月 1日 更新 |
理論は、いくつかの命題を前提にして、それらの命題だけを用いて構築される。 前提として使われる命題が、その理論の「公理」であり、それらの命題を用いて構築された全体のことを「公理系」という。現代数学では、「公理」を理論の前提 (仮定) として扱う。
「公理」は理論の仮定であるから、どのような公理を選ぶかという点は恣意的である。
(1) 無矛盾性
無矛盾性とは、「A∧¬A」となるような論理式Aがない、ということである。
第7章では、(数学的な) 推論の基本ルールをまとめてみた。
さて、T字形ER手法は、「関係の論理 (aRb)」を「関数」として扱わない。そのために、推論ルールを使う。
まず、集合の認知として、以下を「公理 (前提)」としている。
そして、entity には、「並び」を判断規準にして、以下の2つのサブセットがある。 つまり、排中律を使って、サブセット間の積集合が起こらないようにしている。 1. a ≠ b なら、
(1) 「resource」と 「resource」 の順序対 2. a = b なら、 (4) 「再帰 (recursive)」 T字形ER図のなかに記述された集合は、すべて、上述の前提 (認知規準および推論ルール) から導出される。言い換えれば、T字形ER手法のリレーションシップは推論の道筋を示している。そして、T字形ER手法は命題論理 (propositional logic) を使っているので、主選言標準形を正規形としている。
第7章では、無矛盾性・独立性・完全性を まとめてみた。
[ 参考 ] |
[ 補遺 ] (2006年 7月 1日)
TM (T字形 ER手法) は、コッド 関係 モデル に対して、意味論を強く導入したので、コッド 関係 モデル の 「関数従属性」 を使えなくなった。そのために、(コッド 関係 モデル が実現していた) 完全性 を、TM のなかで、いかに担保するかが モデルを作るうえで最大の懸案事項になった。
コッド 関係 モデル は、n-項関係を基本形にしているが、TM は、2項関係を基本形にした。そして、その 2項関係の正規形として 「主選言標準形」 を使っている。ただし、2項関係を組む際に、争点になるのは、2項関係が 「現実の事態として起こっていること」、そして 「すべての 2項関係が網羅されていること」 を証明しなければならない。そして、TMD (TM Diagram、T字形 ER図) として描かれた構成が、証明図 (proof tree) になっていなければならない。すなわち、TMD は、かならず、いくつかの選ばれた前提から導出されなければならない。
(1) 個体の認知は、「合意」 された認知を使う。 TM の推論規則は、「event」 および 「resource」 という意味論的概念を前提にして組んだ。推論規則は、基本的に、「resource が event に関与 (ingression) する」 という考えかたで組まれている--ただし、「event」 のあいだや、「再帰」 では、「並び」 を前提にした規則になっている。 TMD は、個体指示規則および関係生成規則に従って構成され--それらの規則は、上述したように、かならず、個体・関係の網羅性を検証することになっているので--、いくつかの選ばれた前提から導かれる証明図となっている。 モデルは、かならず、以下の 2つを前提にして作られていなければならない。
(1) 語彙 (論理的定項 [ OR、AND、IF など ] および観察述語)
観察述語は、認知された個体のことである。 |
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