2004年 4月 1日 作成 | 「基準編第10章 (作成手順)」 を読む | >> 目次に もどる |
2007年 1月 1日 更新 |
拙著 「論考」 では、T字形 ER図の作成手順として、以下の 4つを列挙している。 (1) minimal cover の生成 (entity の生成) (2) aRb の生成 (relationship の生成) (3) 多義の排除 (4) 周延の検証
(1) HDR-DTL 1. 2つの前提
(1) entity の定義
(2) 関係の定義 2. 4つの推論 ルール
(1) aRb において、a ≠ b なら、
(2) aRb において、a = b なら、 3. 4つの検証 ルール
(1) entity が、集合 (セット、外的性質) として、周延していることを検証する。
4つの検証 ルール を、もっと、精確に記述することもできる。 拙著 「論考」 を脱稿したとき、小生は、T字形 ER手法 (データ 設計技法) に関して、すべて、証明が終わった、と思っていた--だから、引退を考えていた。しかし、T字形 ER手法のなかに、矛盾がないし、完全性が実現されていることを証明しても、T字形 ER手法を、1つの公理系として、整然と記述した訳ではなかった。近い将来、公理と定理を使って--スピノザ 作 「エチカ (Ethica)」 の記述のように--、T字形 ER手法の体系を公にするつもりでいる。
(注 1) 時間 (event) と空間 (resource)
「時間」 と 「空間」 のなかの現象を記述する際、言語の対象として考えたとき、ウィトゲンシュタイン 流の考え方を小生は賛同している。 |
[ 補遺 ] (2007年 1月 1日)
この エッセー で述べられていること (T字形 ER手法の体系化) は、その後、「赤本」 (2005年 9月出版) で実現された。「赤本」 では、T字形 ER手法を以下のように体系化した。
(1) 個体の認知 (1) から (5) まで、構文論を主体にした体系を TM といい、TM に対して意味論を強く適用して、 (6) を加えた体系を TM’ というふうにして、T字形 ER手法の名称を変更した。最近 (2005年以後)、T字形 ER手法という言いかたをしないで、TM とか TM’ という言いかたを使っている。ただ、T字形 ER手法という呼称が世間では親しまれているので、T字形 ER手法に関して文章を綴るときには、「TM (T字形 ER手法)」 というふうに記述している。正確に言えば、T字形 ER手法は、TM’ のことをいう。
懸案となっていた HDR-DTL は、「データ の多値」 のなかで扱うことにした。 ちなみに、「赤本」 で示した体系は、精確に言えば、以下の記述になっている。
(1) データ の認知 「赤本」 では、(1) から (3) まで、「データ (の)」 という言いかたをしていたが、「赤本」 を出版したあとで、本 ホームページ のなかで、TM (および TM’) を検討し続けて、(1) から (3) までの 「データ (の)」 という言いかたを、上述したように、「個体 (の)」 とか 「関係 (の)」 という言いかたに訂正した。というのは、(1) から (3) までは、どちらかと言えば、実体主義の観点に立って 「認知」 を考えているので--データベース 設計 (関係主義) の観点に立っていないので--、用語法を訂正した次第です。 さらに、「赤本」 で示した 「データ の多義」 には、「OR 関係」 と 「AND 関係」 があって、「OR 関係」 が (狭義の) 「多義」 で、「AND 関係」 が HDR-DTL であることがわかったので、「赤本」 を出版したあとで、「データ の多義」 を 「データ の多値」 に訂正しました。 現時点では、実地の事業過程・管理過程に対して 「構造」 を与える際に、この新しい体系で対応しても、体系上の矛盾点が出ていないし、TM (および TM’) が対応できない事象も起こっていないので、この体系化は、まず、大丈夫だと思うのですが、今後も、TM (および TM’) を現実の事態に適用して、つねに、その有効性・効率性を検討し続けるつもりです。 |
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