2004年10月16日 作成 | 「基準編第14章 (用語や概念に慣れるために)」 を読む | >> 目次に もどる |
2007年 7月16日 更新 |
「論理データベース論考」 のなかでは、参考文献として、記載しなかったのですが、論理学を、はじめて学習するなら、以下の書物を、お薦めします。 ● 「論理学 [ 哲学の世界 1 ]」、ウェスリー・C・サモン (山下正男 訳)、培風館
絶版になっているかもしれないので、図書館で借りてください。 上述した書物が 「もの足らない」 のであれば、以下の書物を読んでください。 ● 「論理学概論」、近藤洋逸・好並英司、岩波書店
この書物は、「周延」 概念を丁寧に記述しています。
この書物は、伝統的論理学と記号論理学を対比して、「記号化 (概念形成)」 や 「推論の型」 を詳解しています。 ● 「記号論理学の原理」、ライヘンバッハ H. (石本 新 訳)、大修館書店 第 7章と第 8章は、「自然言語の分析」 を扱っていますが、読まなくて良い--第 6章まで、読めば良いでしょう。自然言語を記号論理学の観点に立って再考することは、入門段階の論点ではないでしょうね。ライヘンバッハ は、論理実証主義の メンバー だったので、「自然言語と論理構造」 の論点を専門領域としていました。でも、その論点は、入門向けではないでしょうね。論理学を、そうとうに研究してきた人たちが、あらためて、記号操作の 「意義」 を、自然言語と対比して論じるなら良いのですが、入門段階に立っている人が、第 7章・第 8章を読めば、論点のむずかしさを感じて、記号論理学に対して嫌気を感じる怖れがある、と思います。第 7章を読んでみて、「理解できない」 と感じたら、第 7章と第 8章は、読まないでください。そして、記号論理学を、もっと、学習して、中級以上になってから、読んでください。 □ |
[ 補遺 ] (2007年 7月16日)
論理学 (ロジック) を これから 「本気で」 学習しようと思っているなら、入門段階で以下の書物を読んで基礎概念を整理しておけば、学習が進むにつれて、役立つでしょう。 「論理学概論」、近藤洋逸・好並英司、岩波書店 現代論理学 (ロジック) は、数理論理学とも云われています。いっぽうで、わが国では、「数学基礎論」 という言いかたがあって、論理学と数学基礎論は、いちぶ まじわっています。数理論理学と云われている領域が数学基礎論のなかにふくまれるのかどうかという点を私は--論理学・数学の専門家ではないので--判断できないのですが、数理論理学には、「論理の数学的扱い」 と 「数学の論理的分析」 という 2つの意味があって、私の興味は、「論理の数学的扱い」 のほうに注がれています。ちなみに、ゲーデル 氏は、ロジシャン (論理学者) と称されることもあるようです。ウィトゲンシュタイン 氏も、流体力学という数学に近い分野を専攻していましたし、かれ自身は、(哲学者というよりも、) ロジシャン であると 当初 思っていたそうです。現代では、クワイン 氏や クリプキ 氏のように哲学者であって、数理論理学に貢献してきた人物も少なくないようです。 数理論理学を学習するとしても、当然ながら、伝統的論理学も学習していなければならないでしょうね。なぜなら、数理論理学は、「論理の数学的扱い」 をふくんでいるのだから、「論理」 と 「数学」 を知らなければならないから。
なお、「論理学概論」 の著者の一人である近藤洋逸 氏は、数学の基礎に対して、早くから取り組んで、1930年代に、ゲンツェン 氏--自然推論を形式化した人物、自然推論として NJ と NK を整えた--の論文 「数学基礎論の現状」 に依って、「レーヴェンハイム・スコーレムの背理を中心として」 という論文を著して、数学基礎論を批判していました。近藤洋逸 氏によれば、「基礎論」 は 「レアル な観点」 から批判されなければならないとのこと。近藤洋逸 氏の言う 「レアル」 という意味は、「実在論」 というよりも、「唯物論」 であるとのこと (飯田 隆 氏の意見)。(参考) いずれにしても、伝統的論理学と数理論理学に通じた人物が著した 「論理学概論」 は、論理学の専門家でない私であっても、「正統な」 入門書として お薦めしても良いでしょう。 |
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