経営学(入門編) | >> 目次 (テーマごと) |
経営学の文献に関して、小生(佐藤正美)は、以下に記載した以外の本を読んでいない。言い訳するのではないが、データベース(データ解析)を専門とする小生は、数学(数学基礎論)や論理学や哲学の文献を多く読んでいるが--会計学(財務会計論)も、大学院で専攻していた成り行き上、或る程度の数を読んではいるが--、経営学の文献に関しては、以下に記載する以外には、ほとんど読んでいない。 「これを読んだら、あれは読めない」という限られた読書時間の制約のために、経営学の本を読むことができない、というふうに言い訳している。 経営学を勉強するのなら、当然に読んでいなければならない基本書も読んでいない この領域に関心のある人たちは、以下に記載した文献のなかに紹介されている参考文献を起点にして、もっと多くの文献を読んで下さい。 なお、文中、★を附与してある文献は「お薦め」の意味です。 |
▼ 入門編 ● ビジュアル 基本経営学、藤芳誠一 編、学文社 ● テキスト 経営学 [ 増補版 ] 基礎から最新の理論まで、井原久光、ミネルヴァ書房 ● 日本企業の市場管理、光澤滋朗、中央経済社(★) ● マーケティング・ベーシックス (第二版)、(社)日本マーケティング協会、中央経済社(★)
● MBAのグローバル経営 [ TRANSNATIONAL MANAGEMENT ]、
● 経営コンサルティング、国際労働事務局 著、日本生産性本部茗谷会 訳、日本生産性本部
● コンサルティング・ハンドブック、デロイト・トーマツ・コンサルティング 著、東洋経済新報社 ● 「ビジネスモデル」 づくり入門、山崎康夫、中経出版 ● ビジネスプラン策定シナリオ、HRインスティチュート 著、野口吉昭 編、かんき出版 |
[ 読みかた ] (2006年 6月 1日)
前掲書のなかで お薦めは、以下の2冊です。 (1) マーケティング・ベーシックス(第二版)、(社)日本マーケティング協会、中央経済社 (2) 日本企業の市場管理、光澤滋朗、中央経済社
(1) は、経営を 「total marketing」 として考えて、「戦略・戦術」 の観点から経営の基礎知識をまとめています。 経営学の書物を読むということは、コンピュータの技術書を読むに比べて、特殊な技術を学習しなければならないという前提がないので、うっかりすると、経営戦略を説いた数冊の書物を読んで、経営学を あたかも わかったつもりになりやすい危険性があります。日本語で綴られていて・特殊技術の習得を前提にしていない書物なら、一読すれば理解できるというのは錯覚にすぎないでしょうね。 コンピュータ技術と数学・工学のあいだには強い関係があるので、学問 (数学・工学・論理学) をちゃんと修めていることは実際に役立つことを私は断言できますが、「実際の経営」 と経営学とのあいだに どのような関係があるのかを 私は的確に述べるほどの経営のプロフェッショナルでもないし経営学の研究者でもない。ただ、経営学が 「学」 として成立しているのは理由があるはずなので、まず、経営学の体系を網羅的に学習する (鳥瞰する) ことは、経営戦略とか組織論などの特有な領域を学習するための前提でしょう。
経営学 (あるいは、マーケッティング) というのは、たぶん、商品と組織と市場のあいだに成立する関係--商品・組織・市場という主体と、それらのあいだに生じる相互作用--を追究する学問なのかもしれない。もし、そうであれば、それらの主体・関係は生産者の観点で論じられることになりますが、逆の観点からいえば、消費者が、それらの しくみ を知っておいても--直接の益を得られるかどうかは断言できないのですが--損にはならないでしょう。 経営学を学習するとなれば、経営戦略とか組織論を重視しがちですが、実際の経営過程では、それらばかりが経営のなかで重視されているのではないのであって、どのような ささいな仕事であっても、およそ、なんらかの商品を作るために関与しているのであれば、経営過程を組成している大切な (無視できない) 仕事です。そういう感覚を喪わないためにも、ぜひとも、経営学の全体像を網羅的に記述した入門書を、まず、読んで下さい。 |
▼ 番外編 以下に記載する本は、「体験談」を披露した「ハウ・ツー」本であるが、第一級の経営コンサルタントたちや「異能」と称された経営者たちが、どのような考え方をしているのか、という点を知るには役立つでしょう。
● 一回のお客を一生の顧客にする法、 ● 一人前から一流になる秘訣、M. マコーマック 著、植山周一郎 訳、ダイヤモンド社 ● 得手に帆をあげて、本田宗一郎、三笠書房 ● 取締役は こう勉強せよ、宮崎 輝 談、大野誠治 構成、三笠書房 ● シンボリック・マネジャー、テレンス・テ゛ィール/アラン・ケネテ゛ィー 共著、城山三郎 訳、新潮社 ● 管理職 13の大罪、W. スティーフ゛ン・フ゛ラウン 著、村沢 滋 監修、松野 弘 訳、TBSブリタニカ ● アメリカン・スピリット、ローレンス・ミラー 著、徳山二郎 監訳、日本放送協会出版 ● パラドックスの時代、チャールズ・ハンディ 著、小林 薫 訳、The Japan Times(★) ● 勇気ある経営、アイリーン・シャピロ 著、仁平和夫 訳、日経 BP社(★) |
[ 読みかた ] (2006年 6月 1日)
私は、こういう類の書物を読まないほうですが--そういうふうに言っても、なにも、気取っている訳じゃないのであって、「読書案内」 を一覧していただければ ご理解いただけると思うのですが、ほかに読む書物 [ 学術書 ] が多いので、こういう類の書物を読む余裕がないというだけのことですが--、仕事が思うように進まないので落ち込んだときなどに、こういう書物を 「景気づけの酒一杯 (pick-me-up)」 として読みます。私は、30歳代後半から 40歳代前半に、こういう書物を、多数、読みました。当時、独立開業した頃なので--当時は、独立開業することは、今ほど、盛んではなかったので、将来に対する不安を感じていたし、どのように事業を進めれば良いかもわからなかったので--、こういう類の書物を、多数、読みました。それらのなかで、私に対して、「考える」 材料を示した書物を掲載した次第です。そのために、掲載した書物のあとに出版されている こういう類の書物を私は読まなくなったので、掲載した書物は、当時に出版された古い書物ばかりですが、ここに掲載した書物を読んでほしいという意味ではないので、念のため。 ちなみに、私は、独立開業した数年後に、これらの書物から学んだことに対して、べつの道を歩むことを決断しました。企業として事業を拡大することを考えないで、「(データベースの設計法を) 研究すること」 を主眼にして企業を継続する決断をしました--言い換えれば、事業を営んで 「儲ける」 ことを捨てた訳ですから、およそ、企業としての存在を変則的な道に舵取りした訳です。私は、大学に所属する研究者でもないし大企業の研究所で働く研究員でもない道を選びました。そして、私は貧乏になりました (笑)。そういう やりかた が、企業のありかたとして良いことなのかどうか という点を私は、いまも、悩んでいます。悩んでいても 「景気づけの酒一杯」 として、こういう類の書物を私は、もう、読みません。なぜなら、そういう道とは べつの道を歩んだ訳ですから。 |
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