2001年 4月15日 作成 述語論理 >> 目次 (テーマごと)
2006年 6月16日 補遺  



述語論理: f (x) は 「性質」 を表現する。

 要素命題 (1つの叙述文) は、1つの主語と1つの述語を使って構成される。
 1つの主語と1つの述語をいっ しょにして1つ単位 (真理関数) として扱う論理解析が 「命題論理」 である。
 「述語論理」 は、主語と述語を区別して論理構造を扱う関数論理 (functional logic) である。

 「一般化」 とは、対象を 「共通の性質」 に従って、対象の 「集合」 を総括することである。
 そのために、「述語 (「性質」 とも云う) を使って、概念の共通化を扱う。

 例えば、以下の文を仮想する。

 (1) 佐藤正美は男で ある。
 (2) 佐藤敦は男である。
 (3) 佐藤剛は男である。
 (4) 佐藤大地は男である。
 (5) 佐藤 恵美子は女である。
 (6) 稲森いずみは女である。

 「男である」 という述語 (性質) を使って、以下の集合が形成で きる。

    男の集合 = {佐藤正美, 佐藤敦, 佐藤剛, 佐藤大地}.

 「女である」 という述語 (性質) を使って、以下の集合が形成できる。

    女の集合 = {佐藤恵美子, 稲森いずみ}.

 「x には性質 P が帰属する」 は、集合 {x ∈ A} と同値である。言い換えれば、集合 A は、述語 P が帰属する モ ノ の 「集合」 である。「x には性質 P が帰属する」 という文は、P(x) --つまり、f (x) --という関数表現と同値である [ 1つの変数の関数 f (x) は、「性質」 を表現すると覚えればよい ]。

 論理式 f (x) のことを 「内包 (または、意味)」 といい、関数 f (x) を使って形成される集合 A を 「外延 (または、クラス)」 という。「内包」 が正しい 「外延」 を形成することを 「周延」 という (「周延」 については、後日、詳細に解説する) 。□

 



[ 補遺 ] (2006年 6月16日)

 本節では、述語論理の基本として、以下の 2点を覚えてほしい。

 (1) 「述語論理」 は、主語と述語を区別して論理構造を扱う関数論理 (functional logic) である。
 (2) 「述語論理」 は、「集合論」 に翻訳できる。

 
 文の主語を S と略称し、文の述語を P と略称する ( S は Subject、P は Predicate の略である)。
 「命題論理」 は、1つの主語と1つの述語をいっ しょにして1つ単位として扱う論理解析なので、文を 「S-P」 と略して記述することが多い。いっぽう、述語論理は、主語と述語を区別して論理構造を扱うので、P (s) として考えれば、f (x) の 1変項関数と同値である。そして、1変項関数は集合論に翻訳できる。

 なお、集合の関係では--たとえば、集合 A と集合 B との 2項関係を考えれば--、以下の関係を つねに検討するようにしてほしい。

 (1) A が B をふくんで、さらに、ひろがっている。
 (2) B が A をふくんで、さらに、ひろがっている。
 (3) A と B は、たがいに、一部、まじわっている。
 (4) A と B には、まじわりがない。
 (5) A と B は、同じである。




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