2001年11月15日 作成 | 不動点定理と不完全性定理 | >> 目次 (テーマごと) |
2007年 1月16日 補遺 |
不動点定理が 「存在証明」 に使われることを、前回、記述した (ホームページ 72ページを参照されたい)。今回は、その 「からくり」 を説明する。ゲーデル は、不完全性定理のなかで、PM の公理系に ペアノ の公理系を附加して得られる体系を扱っているが、本稿では、説明をわかりやすくするために、PM の公理系と ペアノ の公理系のなかで使われている記号を、そのまま使わないで--数学的な厳密性を、やや犠牲にして--、簡略して解説する。 まず、理論体系を数式として扱うために、以下のように、論理式に対して数を割り当てる。 1. 体系 P のなかで使われる記号を定義する。
(1) 定数 (論理定項): ¬, ∨, ∀,... 2. 体系 P のなかで使われる記号に対して、次のように、自然数 (ただし、素数)を 「1 対 1」 に対応させる。
(1) ¬, ∨, ∀,... 以下の手順で証明する。
(1) 論理式 f の ゲーデル 数を f' ∈ X とする。 |
[ 補遺 ] (2007年 1月16日)
本文のなかに示した 「証明法」 は、不動点定理を借用した やりかた であって、ゲーデル が示した証明法そのものではない点に注意されたい。 不完全性定理 (たのしい すうがく 2)、野崎昭弘、日本評論社
「不完全性定理」 の証明法を単純に言い切ってしまえば、無矛盾な形式的言語 L のなかで、完全な モテ゛ル を対象にして、自然数 n を考えて、自然数の 「後続 (後者)」 を決定できるかどうかを検討している。そして、その証明法 (無矛盾な自然数体系を前提にした証明法) を使ってケ゛ーテ゛ル が示した点は、「L が無矛盾であれば、L のなかの式 G について、G も ¬G も、L のなかで証明できない」 ことであった。 |
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