2004年 1月16日 作成 | データ 設計法 (意味論と データベース 設計論) | >> 目次 (テーマ ごと) |
2008年 2月16日 補遺 |
(1) 概念設計 (conceptual design)
概念設計とは、データベース 化の対象を調べる作業である。現実世界のなかで扱われている情報の構造や、情報の使いかたを調べることを目的としている。
[ 参考 ]
[ 参考 ]
(1) ER モデル (Entity-Relationship Model) ER モデル は、主体集合の間に成立する相互作用を 「関連 (relationship)」 という概念を使って記述するのが特徴であり、チェン (Chen P.) 氏が、1976年に提示した。詳細については、以下の文献を参照されたい。 "The Entity-Relationship Model Toward a Unified View of Data", Chen P., ACM, 1976
(1) 汎化 (generalization) と特化 (specialization)
(1) は、「is-a」 関係を記述し、(2) は「part-of」 関係を記述し、(3) は「instance-of」 関係を記述する。
"A Logical Design Methodology for Relational Database Using the Extended Entity-Relationsip Model", "The Functional Data Model and the Data Language DAPLEX", Shipman D., ACM, 1981 "Data Description with SDM : A Semantic Database Model", Hammer M. adn D. McLeod, ACM, 1981 |
[ 補遺 ] (2008年 2月16日)
今回から暫くのあいだ、データ 設計に関して、「補遺」 を綴りますが、私 (佐藤正美) の立場は 「論理的意味論 (logical semantics)」 であるという点を、まず、はっきりと述べておきます。すなわち、私は、数学 (あるいは、ロジック) の観点に立って、「モデル」 を考えています。したがって、「モデル」 は、かならず、以下の 2点を示していなければならないと考えています。
(1) 構文論 (生成規則)
そして、TM (T字形 ER手法の改良版) は、それらの規則を示した 「経験論的な言語 L」 のひとつであると。 もし、概念設計では、まず、管理対象を概説して、次の過程で、それらを細分するというのであれば、細分化された管理対象に関する制約・束縛の すべて を──事業過程・管理過程を実地におこなうことができる状態での制約・束縛の すべて を──記述できるとでも システム・エンジニア は考えているのかしら、、、ひとつの事業は、ひとりの トップマネジメント が作った訳でもなければ、ひとりの エンドユーザ が作った訳でもないのであって、事業過程・管理過程は、数多くの人たちが関与して、数年あるいは数十年を費やして 「改良」 してきた活物であって、改めて ゼロ (零) から作り直すなどということはできないでしょう [ もし、「できる」 と思っていれば、システム・エンジニア が自惚れに酔っているにちがいない ]。 意味論上、管理対象を とらえることは、さほど難しいことではない。意味論で いちばんに難しい点は、制約・束縛を いかにして網羅するか──言い換えれば、制約・束縛の網羅性を いかに実現するか──という点です。 ER (Entity-Relationship) と称して、「箱と線」 で絵を描くのが概念設計ではない。だから、私は (データベース 設計としての) 概念設計を信じていない。ただし、制約・束縛の網羅性を請けあってくれる概念設計法があれば、この限りではないことも断っておきます。 |
<< もどる | ベーシックス | すすむ >> | |
▼ データベースの基礎知識 |