2008年 1月16日 | 「理論編-9 経営過程」 を読む | >> 目次に もどる |
2013年 2月 1日 補遺 |
理論編-9 は、理論編-8 まで述べてきた モデル の基本概念を適用する領域 (universe、domain) を確認しています。 経営過程は、経営学の通論では、以下の 3つに分類されています。
(1) 事業過程 「事業過程と管理過程」 の関係は、理論編-1 で述べた 「ポパー の モデル観」 に照らしてみれば、事業過程が 「第一世界 (物的状態の世界)」 で、管理過程が (事業過程に対する) 「第三世界 (モデル)」 に対応するでしょう。言い換えれば、管理過程が事業過程を計画・管理 (management) しているということです。管理過程は、「情報」 の伝達体系です。したがって、以下の 「対偶」 を考えることができます。 「管理過程 → 事業過程」 の対偶として、「¬事業過程 → ¬管理過程」。 しかも、管理過程のなかで伝達されている 「情報」 は、言語的構成物です。したがって、伝達されている 「情報」 を対象にして 「モデル」 を作れば、管理過程の 「『意味』 の構成」 を記述することができる、ということです。「情報」 に対して 「モデル」 を作ることは、理論編-2 で述べた 「構文論」 の領域です。ただし、管理過程と事業過程は、「全射 (あるいは、双射)」 ではない。事業過程は、管理過程をふくんで、さらに拡がっています──すなわち、事業過程のなかには、管理過程の対象になっていない (undefined な) 労役単位も存在します。管理過程を対象にして作った 「モデル」 を起点にして事業過程を確認するのが、理論編-2 で述べた 「意味論」 の領域です。「モデル」 のなかに記述された対象・関係の 「意味」 を験証するなかで、undefined な労役を推測して、モデル化するかどうかも考えます──そして、ときには、undefined な労役を 「正確に」 捕捉するために、仕事に従事している人たちに対して 「作業日報」 を記録してもらうこともあります [「作業日報」 に関しては、本 ホームページ の 「反 コンピュータ 的断章」 を参照して下さい ]。 理論編-9 で、特に強調したかった点は、「『制度』 として設置された構造は、たとえ、それが効果的でなくなっても、存続する」 という危険性です。というのは、「制度」 には、「効率化」 という自己目的があるから。「制度」 の有効性・効率性を検討するために、われわれは、「モデル」 を作るはずです。すなわち、「モデル」──管理過程に対して与えた 「構造」──は、つねに、以下の 2点 (「そのもの-の」 という観点と 「に対して」 という観点)から験証されなければならないはずです。その験証が、「意味論による推敲」 です。
(1) 「構造」 そのもの-の矛盾 (inconsistency) 以上の 2点を的確に指示するためには、当然ながら、「事実が 『正確に』 記述されていなければならない」 でしょう。言い換えれば、ひとり (あるいは、複数の) システム・エンジニア が 「事業過程 (第一世界)」 そのものを対象にして、エンジニアの視点・解釈で作った 「第三世界 (構造)」 など 「無意味 (ナンセンス)」 だということです。 TM (T字形 ER手法) は、理論編-1 で述べた 「ポパー の モデル観」 を前提にして、「管理過程」 を対象にして、理論編-3 で述べた 「経験論的な言語 L」 の文法規則を遵守して、理論編-7 および理論編-8 で述べた意味論に立って、以下の手順で 「構造 (「意味」 の伝達体系)」 を作ります。 「合意」された集合を作る → 「L-真」 を作る → 「F-真」 を験証する. □ |
[ 補遺 ] (2013年 2月 1日)
取り立てて補遺はいらないでしょう。 |
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