2008年11月16日 | 「技術編-16 resource-対-resource の関係」 を読む | >> 目次にもどる |
2017年 9月 1日 補遺 |
関係 R (a, b) において、a および b が 「resource」 のときには、関係 R として、「対照表」 を作成します。たとえば、以下のように。
「対照表」 は、ZF の公理系のなかで、以下の 2つの公理を前提にしています。
(1) 対の公理
「対の公理」 とは、2つの集合 (たとえば、{ A } と { B } ) があれば、それらを メンバー にして 1つの集合 { { A }, { B } } を考えることができる という公理です。ただし、{ { A }, { B } } は、半順序です。そして、「置換公理」 というのは、{ { A }, { B } } に対して、f (x) を適用できるということ。すなわち、2 つの集合を メンバー にした 「和集合」 を考えて、その 「和集合」 において、もし、f (x) ──つまり、なんらかの 「(集合的) 性質」 を考えることができれば、「和集合」 を ひとつの集合とみなすことができる、ということです。
TM では、「対照表」 に対して、f (x) として、「日付」 を考えています。すなわち、ふたつの 「resource」 を メンバー にして、ひとつの 「event」 を考えるということ。
したがって、「従業員. 部門. 対照表」 に、もし、「日付」 を仮想すれば、この 「対照表」 は「配属」 という 「できごと」 を指示することになって、「F-真」 を問うことができます──すなわち、文 { 従業員番号 (R)、部門 コード (R)、日付 } は、「T-文」 で テスト されるということです。言い換えれば、文 { 従業員番号 (R)、部門 コード (R)、日付 } が 「真」 であるのは、そういう事態が起こったとき、そして、そのときに限る、ということです。単純に言えば、2項関係が 3項態を示す、ということ。
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[ 補遺 ] (2017年 9月 1日)
本文の説明は、対照表の 「解釈」 について──対照表に 「日付」 を仮想して、「event」 として 「解釈」 するということについて──、間違いを導く危険性があります。対照表は 「resource」 として 「解釈」 できる。たとえば、本文中の例でいえば、{ 従業員、部門 } は、(「配属」 という event の結果として 「解釈」 すれば) 「組織構成」 としても 「解釈」 できます。つまり、対照表は、F-真として、「event」 としても 「resource」 としても 「解釈」 できるのです。それは当然のことであって、2項関係が 3項態を表現する場合、元の 2つの resource に比べて、階が 1つ上になっているので、resource の階 (第二階) からは その F-真たる存在 (第三階) の意味を判断できない。対照表の 「文法と意味」 は次のように考えてください。
(1) 対照表の文法 (構文論) は、「resource の束」 として扱う。 「関係」 文法 (記号演算) として対照表を扱う場合には、対照表は 「resource の束」 ですから、「resource」 の文法を適用します。すなわち、対照表と 「resource」 のあいだで関係を構成すれば、新たな対照表を生成します。「関係」 を構成する場合、TM は 「T之字」 表記の左側しか (構文論上、すなわち記号演算上) 対象にしない。 意味論上、TM は 「T之字」 表記の右側 (アトリビュート、すなわち集合たる条件) を重視します。そして、条件のなかに、日付があるか、あるいは日付を仮想したいとき、そのときに限り、「event」 として 「解釈」 します。そうでない場合には、その対照表は、「resource」 (あるいは、「制約・束縛」を示す条件) として 「解釈」 します。 対照表は、二つの集合の直積として考えることができるので、並びが固定されます。例えば、{0, 1} の集合と {1, 2} の集合の直積として、(0, 1)(0, 2)(1, 1)(1, 2) を考え、それらのなかで (1, 1) が F-真 (事実) とすれば、(1, 1) が ソリューション になります。{ } の括弧は 「集める」 を示し、( ) は 「並べる」 を示します。ただ、対照表は、半順序の性質を継承するものとして、「集合 オブジェクト」 として、TM では扱っています──すなわち、メンバー のあいだには、並びを問わない。本文中の例で言えば、{ 従業員、部門 } でも { 部門、従業員 } でもよい、ということです。ただし、対応表は、もとの集合の全順序を継承して並びを問います──すなわち、「組 オブジェクト」 として扱います。たとえば、「受注」 と 「請求」 のあいだに複数-対-1 (あるいは、複数-対-複数) の写像がある場合には、対応表として (受注、請求) を構成します。この場合には、(請求、受注) の並びは起こりえない。 |
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