2009年 4月 1日 | 「技術編-25 サブセット の階交叉」 を読む | >> 目次にもどる |
2018年 1月15日 補遺 |
この点 (階の上下関係) も 前節まで述べてきたように、(サブセット において) 「切断」 を知っていれば簡単に理解できるでしょう。あるいは、「集合 (セット)」 を生成する際、「メンバー と、その集合」 を単位としているので、メンバー と集合の関係が入れ替わることは妥当でないことを直ぐに理解できるでしょう。
ここで争点になるのは、いわゆる 「多重継承」 です。すなわち、事業過程・管理過程において、ひとつの管理対象を さらに細かに管理するときに 「区分 コード」 を導入していて、かつ、ひとつの管理対象のなかに導入されている 「区分 コード」 を 「異なる管理視点」 で導入しているとき、「多重継承」 の現象が生じます。
TM は 「セット」 概念を基本にしていて、かつ、「セット」 に対して 「切断」 を適用するので、「多重継承」 を認めていません。したがって、TM では、サブセットが いくつかの包摂関係を構成するときには、そのもの-の性質とみなして構成される包摂関係から外れる関係は 「区分 コード」 を付与されていても、その包摂関係に入れません。したがって、上下の階を入れ替えても 「意味」 が通じる構成では、いずれかの 「区分 コード」 は その集合から除去されなければならない。なお、除去の やりかた として、TM の文法では、以下の いずれかを使うことになるでしょう。
(1) 除去される 「区分 コード」 を 「みなし」 概念で扱う。
いずれの やりかた が妥当であるかは、文脈のなかで判断するしかないでしょうね。
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[ 補遺 ] (2018年 1月15日)
セット から除去される 「区分 コード」 の扱いとして、本文では、ふたつあることを述べています。すなわち、
(1) 「T之字」 の左側で扱う (個体指定子として扱う) (1) は、全体の「構造」 に関与するということです。つまり、他の セット と リレーション を構成することもあり得る。いっぽう、(2) は、「みなし entity」 として、べつの entity になるけれど、派生元の entity の個体指定子を継承しているので、他の entity とは リレーション を構成しない。もし、「みなし entity」 が他の entity と リレーション を構成するのであれば、派生元の entity に対して リレーション を構成すべきです。言い換えれば、「T之字」 の左側 (個体指定子) を度外視して、ひとつの クラス を生成しているだけです。 TM の自動化 ツール の多くは、「みなし entity」 に対して リレーション を構成するようですが、そんな 「関係」 文法は TM にはない──派生元の entity と 「みなし entity」 との関係は、「セット で作って、クラス で整えている」 だけです。すなわち、派生元の entity に対して、当該 entity に帰属しない条件 (性質) を 「みなし entity」 として分離して、当該 entity の純度を高めているだけです。 TM の 「関係」 文法は、entity に関するもので──言い換えれば、「T之字」 の左側 (個体指定子) を使って 「関係 (構造)」 を構成するのであって──、「T之字」 の左側を度外視した クラス に対しては 「関係」 文法はないということを覚えておいて下さい。 |
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