2009年 4月16日 | 「技術編-26 論理の OR と算術の +」 を読む | >> 目次にもどる |
2018年 2月 1日 補遺 |
したがって、サブセット のあいだで、たとえ、「排他的 OR 関係」 が成立していても、もし、サブセット の基数の総計数が セットの基数にならないのであれば、メンバー は周延していないということです [ 赤本 99ページ の例を参照されたい ]。
実は、赤本 99ページ で示した 「『周延』 していない状態」 の例は、ユーザ の TMD を私が レビュー したときに──ただし、99ページ の例は そのときの そのままの TMD ではなくて、説明しやすいように変形して単純化しましたが──、私が見逃してしまって、実装 直前になって間違いに気づいた例です。私が レビュー 段階で見逃したので、「形式的構造のみの レビュー では、妥当性を検証ができないのではないか、実際の値を代入して確認しなければならないのではないか」 という懸念が ユーザ の顔にでていたので、私は みずからの レビュー の迂闊さを認めたうえで、「形式的構造のみでも検証できる」 ことを納得してもらうために、「論理の OR は、算術の + と同値である」 ことを説明した次第です。もっとも、「切断」 さえ確認していれば見逃すはずがなかったのですが、私は、当日の レビュー のときに、たぶん、「排他的 OR 関係」 の チェック しかしなかったのでしょうね (苦笑)。
ちなみに、「妥当な構造」 と 「真とされる値」 は、それぞれ、べつの検証法が適用されるので、形式的構造のなかに、たかが いくつかの典型的な値を代入しても正しい検証にはならない点に注意してください。というのは、「妥当な構造」 は 「論理法則」 上の確認事項で、「真とされる値」 は (取引上の) 制約・束縛が関与するので、制約・束縛が網羅的に記述されていないかぎり、代入値は 「真」 であることを験証されている訳ではないので。制約・束縛が網羅的に記述されていて、それらの制約・束縛のなかで 「真」 とされる値が すべて 験証されているのであれば、それらの値を形式的構造に代入していいのですが、制約・束縛を記述していない段階で、いくつかの──したがって、完全性を実現していない──値を代入しても気休めにすぎないでしょうね。
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[ 補遺 ] (2018年 2月 1日)
取り立てて補足説明はいらないでしょう。ちなみに、私の犯した ミス は、「論理の OR が算術の + と同値である」 ことを知らなくても、補集合 (A に対する Ac) を常に考えていれば避けられたはずです。 |
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