2001年 7月29日 作成 | 「集める」 と 「並べる」 | >> 目次 (作成日順) |
2006年10月 1日 補遺 |
(モノ の集まりを考えるときには) 要素 (「元」 ともいうが) a, b, c,...から構成される集合を { } を使って表現する。 たとえば、1 と 3 から構成される集合は、{1, 3} または {3, 1} と記述される。{ } は、要素--たとえば、前述の例で言えば、1 と 3 --の 「並び (順序)」 を意識しない、という意味である。言い換えれば、{ } は基数的 (cardinal) な表現である。{1, 3} でも良いし、{3, 1} でも良いし、n 個の要素があることを表現すればよい。 なお、要素のない集合--これを、「空集合」 というが--「空集合」 は {φ} として表現する。空集合は、「一者」 (1つの存在する モノ) として認知する [ 空集合は、後日、「ベーシックス」 のなかで、改めて、扱う ]。
集合 A の要素 a と集合 B の要素 b を、この順序に並べて、(ふたつを) 一組にした集まりを 「順序対 (ordered-pair)」 といい、( ) を使って表現する。あるいは、< > を使って記述することもある。 関係の論理 「aRb」 は、R (a, b) と同値である。R (a, b) は、f (x, y) と同値である。つまり、関係の論理は、2項関数と同値である。言い換えれば、2項の関係の論理は、直積集合 (集合 A × 集合 B) と同値である。直積集合は順序対 (a, b) の集合である。
たとえば、次の集合を考える。
この 2つの直積集合は、以下のようになる。
上述した直積集合の 4つの順序対を 「座標」 を使って表現してみれば、(0, 1) と (1, 0) がべつべつの座標点であることがわかる--つまり、{0, 1} と (0, 1) は、ちがう意味であることがわかる。 |
[ 補遺 ] (2006年10月 1日)
自然数とは、1 から始まって、2, 3, 4,... と無限に続く数をいう。自然数の概念は、「ペアノ の公理」 として定義されている。
自然数には、ふつう、0 (ゼロ) を入れないが、古代 ギリシア 時代には、1 も自然数に入れなかった。というのは、複数になって初めて 「数」 が意識される、という考えであった。つまり、1 は数を考えるための単位であった。
(1) 基数 (cardinal number) [ 集合数 ともいう。one, two, three,... ]
そして、無限基数や無限序数を扱ったのが、カントール の集合論である。 ペアノ の公理系として、自然数 x について、論理式 φ (x) を考える。なお 、N は集合を示し、S は 「N の関数」 とする。
(1) φ (0).
以上の公理系を「帰納法」という。
1 = S0. 以上のようにして、いくつかの基礎集合から有限回の操作を施して生成された集合の元を使って表現できる構造を 「数学的構造 (mathematical structure)」 という。つまり、自然数の数学的構造は (N, 0, S) である。 基数は、対象を数えるときに使う数である。数は、対象に帰属する性質ではない。2 個の個体の 「同一性」 は以下のように定義される。 x id y = def ∀P [ P (x) = P (y) ]. 「同一性」 を使って数を記述することができる (ラッセル らの論理実証主義の立場)。或る性質 f が唯一の対象のみに帰属していることを記述すれば、以下のようになる。 ∃x f (x) ∀y [ f (y) ⊃ (y = x) ]. この式が満たされるならば、クラス F は正確に 1つの メンバー から成立する。したがって、数は クラス (関数の性質) であって、個々の対象の性質ではない。 ちなみに、「基数と序数」 ならびに 「階数と次数」 は、数学の最も基本的な概念である。 |
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