2001年12月16日 作成 | 経営学 (全般) | >> 目次 (作成日順) |
2006年 6月 1日 更新 |
経営学の文献に関して、小生(佐藤正美)は、以下に記載した以外の本を読んでいない。言い訳するのではないが、データベース(データ解析)を専門とする小生は、数学(数学基礎論)や論理学や哲学の文献を多く読んでいるが--会計学(財務会計論)も、大学院で専攻していた成り行き上、或る程度の数を読んではいるが--、経営学の文献に関しては、以下に記載する以外には、ほとんど読んでいない。 「これを読んだら、あれは読めない」という限られた読書時間の制約のために、経営学の本を読むことができない、というふうに言い訳している。 経営学を勉強するのなら、当然に読んでいなければならない基本書も読んでいない この領域に関心のある人たちは、以下に記載した文献のなかに紹介されている参考文献を起点にして、もっと多くの文献を読んで下さい。 なお、文中、★を附与してある文献は「お薦め」の意味です。 |
▼ 入門編
● テキスト 経営学 [ 増補版 ] 基礎から最新の理論まで、井原久光、ミネルヴァ書房 ● 日本企業の市場管理、光澤滋朗、中央経済社(★) ● マーケティング・ベーシックス (第二版)、(社)日本マーケティング協会、中央経済社(★)
● MBAのグローバル経営 [ TRANSNATIONAL MANAGEMENT ]、
● 経営コンサルティング、国際労働事務局 著、日本生産性本部茗谷会 訳、日本生産性本部
● コンサルティング・ハンドブック、デロイト・トーマツ・コンサルティング 著、東洋経済新報社 ● 「ビジネスモデル」 づくり入門、山崎康夫、中経出版 ● ビジネスプラン策定シナリオ、HRインスティチュート 著、野口吉昭 編、かんき出版 |
[ 読みかた ] (2006年 6月 1日)
前掲書のなかで お薦めは、以下の2冊です。 (1) マーケティング・ベーシックス(第二版)、(社)日本マーケティング協会、中央経済社 (2) 日本企業の市場管理、光澤滋朗、中央経済社
(1) は、経営を 「total marketing」 として考えて、「戦略・戦術」 の観点から経営の基礎知識をまとめています。 経営学の書物を読むということは、コンピュータの技術書を読むに比べて、特殊な技術を学習しなければならないという前提がないので、うっかりすると、経営戦略を説いた数冊の書物を読んで、経営学を あたかも わかったつもりになりやすい危険性があります。日本語で綴られていて・特殊技術の習得を前提にしていない書物なら、一読すれば理解できるというのは錯覚にすぎないでしょうね。 コンピュータ技術と数学・工学のあいだには強い関係があるので、学問 (数学・工学・論理学) をちゃんと修めていることは実際に役立つことを私は断言できますが、「実際の経営」 と経営学とのあいだに どのような関係があるのかを 私は的確に述べるほどの経営のプロフェッショナルでもないし経営学の研究者でもない。ただ、経営学が 「学」 として成立しているのは理由があるはずなので、まず、経営学の体系を網羅的に学習する (鳥瞰する) ことは、経営戦略とか組織論などの特有な領域を学習するための前提でしょう。
経営学 (あるいは、マーケッティング) というのは、たぶん、商品と組織と市場のあいだに成立する関係--商品・組織・市場という主体と、それらのあいだに生じる相互作用--を追究する学問なのかもしれない。もし、そうであれば、それらの主体・関係は生産者の観点で論じられることになりますが、逆の観点からいえば、消費者が、それらの しくみ を知っておいても--直接の益を得られるかどうかは断言できないのですが--損にはならないでしょう。 経営学を学習するとなれば、経営戦略とか組織論を重視しがちですが、実際の経営過程では、それらばかりが経営のなかで重視されているのではないのであって、どのような ささいな仕事であっても、およそ、なんらかの商品を作るために関与しているのであれば、経営過程を組成している大切な (無視できない) 仕事です。そういう感覚を喪わないためにも、ぜひとも、経営学の全体像を網羅的に記述した入門書を、まず、読んで下さい。 |
▼ 中級編 ● 経営学原論、山本安次郎・加藤勝康、文眞堂(★)
● 近代日本経営史の基礎知識 [ 増補版 ] 明治維新期から現代まで、 ● 年表で見る 日本経済の足どり [ 昭和31年度〜平成12年度 ]、加藤治彦 編、財経詳報社(★) ● 経営人材形成史 [ 1945〜1995年の展開分析 ]、小山田英一・服部 治・梶原 豊 共著、中央経済社 ● THE EFFECTIVE EXECUTIVE, Peter F. Drucker, HEINEMANN(★) ● INNOVATION AND ENTREPRENEURSHIP, Peter F. Drucker, HARPER & ROW PUBLISHERS ● MANAGEMENT, Peter F. Drucker, HARPER & ROW PUBLISHERS ● STRATEGIC PLANNING, George A. Steiner, FREE PRESS ● HOW TO MEASURE MANEGERIAL PERFORMANCE, Richard S. Sloma, MACMILLAN PUBLISHING ● IMAの管理会計指針、米国管理会計人協会 著、西澤 脩 訳、白桃書房
● 戦略策定--その理論と手法、 ● [ 新訂 ] 競争の戦略、M.E.ポーター 著、土岐 坤・中辻萬治・服部照る夫 共訳、ダイヤモンド社 ● 経営戦略立案ハンドブック、デービッド A. アーカー 著、今枝昌宏 訳、東洋経済新報社
● コトラーのマーケティング・マネジメント [ ミレニアム版 ]、
● デリバティブ入門、
● 初めてのオプション理論、中村健一郎 著、近代セールス社
● デリバティブ入門、小島秀雄・小川真路 訳、経済法令研究社 ● 実用・経済計算、日比宗平 著、日本生産性本部
● 米国 [ 最新 ] ビジネスモデル特許 564、
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[ 読みかた ] (2006年 6月 1日)
前掲書のなかで お薦めは、以下の2冊です。 (1) 経営学原論、山本安次郎・加藤勝康、文眞堂
(2) THE EFFECTIVE EXECUTIVE, Peter F. Drucker, HEINEMANN (1) は、「原論」 という書名が付けられているように、経営学を統一的・整合的に説き明かす理路を試みている研究書です。したがって、一般読者向けに綴られた ミーハー 本と比べて、読みやすいとは言えないのですが、経営学の 「ものの見かた」 を追究しているので、読めば読むほど価値のある (考える視点を提示してくれる) 書物です。私は経営学者ではないので、この書物に対する学術的価値を語るほどの専門知識を持っていないのですが、この書物が提示している事業過程・管理過程・組織過程の捉えかたから学んだことは多かった。学術書なので、経営学を専門にしていない人たちには読みやすいとは言えないのですが、ぜひとも、読んで下さい。 (2) は、ピーター・ドラッカー 氏の著作のなかで、私が一番に好きな書物です。かれの著述を集めた 「Management」 も、お薦めしたいのですが、なにせ、ページ数の多い英文書なので、よほど、ピーター・ドラッカー 氏の考えかたに興味を抱いた人でなければ読み通すことはできないでしょうが--ひょっとしたら、この 「Management」には、翻訳本が出版されているかもしれないけれど--、(2) は、かれの考えかたを簡潔に示していると思います。(2) では、効果的と効率的が対比されて、効果的であることが executive の使命であることを主張しています。ピーター・ドラッカー 氏の主張を そういうふうに言い切ってしまえば、このエッセーを読んでいる人たちには、「そんなことは当たり前なことだ」 と言われそうですが、かれの文体は、読んでいて、われわれが当然と思い込んで見過ごしている点を ハッ と思い知らされる点が多いので、私の下手な意見などを参考しないで、ぜひとも、かれの著作を直接に読んで下さい。 経営戦略を学習するのであれば、以下の書物は、最低限、読むべきでしょう。 (1) STRATEGIC PLANNING, George A. Steiner, FREE PRESS (2) 戦略策定--その理論と手法、ホファー・シュンデル 共著、奥村昭博・榊原清則・野中郁次郎 共訳、千倉書房 (3) [ 新訂 ]競争の戦略、M.E.ポーター 著、土岐 坤・中辻萬治・服部照る夫 共訳、ダイヤモンド社 (4) 経営戦略立案ハンドブック、デービッド A. アーカー 著、今枝昌宏 訳、東洋経済新報社 経営者 (top management) でない われわれが経営戦略を学習しても、(企業戦略に関する) 経営戦略の技術を実地に使う機会などないと思うのですが、実際、情報システム・コンサルタントをしている私も、企業戦略に関与したことは一度もありません。企業戦略は経営コンサルタントが関与する領域でしょうね。ただ、企業戦略を起点にして編成された事業戦略には、情報システム・コンサルタントは関与することがあります。そして、さらに、業務戦略に対しては、まさに、コンピュータ・システムが大きく関与します。私は、仕事上、事業戦略・業務戦略に関与しますので、それらの戦略を編成する源たる経営戦略が、どういう事物・事象に対して、どのようにして作られるのか を知っていれば役立ちますので、学習した次第です。 「実用・経済計算」 (日比宗平 著、日本生産性本部) も、ぜひとも、読んでほしい書物なのですが、版が古いので、もう絶版になっているかもしれない。この書物でなければならないというのではなくて、複利計算をはじめとした経済計算に関する書物を、かならず、読んで下さい。現代の会計学は、DCF (Discounted Cash Flow、割引現在価値の計算、実質的には複利計算の構造と同じ) を知らなければ、まず、理解できないでしょう--たとえば、リース会計・年金会計・デリバティブ取引などは、複利計算を知らなければ、具体的な取引を知ることができないでしょうね。また、投資の経済的効用も複利計算を知らなければ理解できないでしょう。 |
なお、ビジネスモデル特許については、「関連リンク集」を参照されたい。
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▼ 辞書 ● 経営行動科学辞典、高宮 晋・小林末男 監修、創成社 ● 詳解 マーケティング辞典、徳永 豊・D.マクラクラン・H.タムラ 編、同文館 ● The Modern American Business Dictionary, John Berenyi, QUILL
● DICTIONARY OF AMERICAN BUSINESS,
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なお、産業の統計情報に関しては、「関連リンク集」を参照されたい。
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▼ 番外編 以下に記載する本は、「体験談」を披露した「ハウ・ツー」本であるが、第一級の経営コンサルタントたちや「異能」と称された経営者たちが、どのような考え方をしているのか、という点を知るには役立つでしょう。
● 一回のお客を一生の顧客にする法、 ● 一人前から一流になる秘訣、M. マコーマック 著、植山周一郎 訳、ダイヤモンド社 ● 得手に帆をあげて、本田宗一郎、三笠書房 ● 取締役は こう勉強せよ、宮崎 輝 談、大野誠治 構成、三笠書房 ● シンボリック・マネジャー、テレンス・テ゛ィール/アラン・ケネテ゛ィー 共著、城山三郎 訳、新潮社 ● 管理職 13の大罪、W. スティーフ゛ン・フ゛ラウン 著、村沢 滋 監修、松野 弘 訳、TBSブリタニカ ● アメリカン・スピリット、ローレンス・ミラー 著、徳山二郎 監訳、日本放送協会出版 ● パラドックスの時代、チャールズ・ハンディ 著、小林 薫 訳、The Japan Times(★) ● 勇気ある経営、アイリーン・シャピロ 著、仁平和夫 訳、日経 BP社(★) |
[ 読みかた ] (2006年 6月 1日)
私は、こういう類の書物を読まないほうですが--そういうふうに言っても、なにも、気取っている訳じゃないのであって、「読書案内」 を一覧していただければ ご理解いただけると思うのですが、ほかに読む書物 [ 学術書 ] が多いので、こういう類の書物を読む余裕がないというだけのことですが--、仕事が思うように進まないので落ち込んだときなどに、こういう書物を 「景気づけの酒一杯 (pick-me-up)」 として読みます。私は、30歳代後半から 40歳代前半に、こういう書物を、多数、読みました。当時、独立開業した頃なので--当時は、独立開業することは、今ほど、盛んではなかったので、将来に対する不安を感じていたし、どのように事業を進めれば良いかもわからなかったので--、こういう類の書物を、多数、読みました。それらのなかで、私に対して、「考える」 材料を示した書物を掲載した次第です。そのために、掲載した書物のあとに出版されている こういう類の書物を私は読まなくなったので、掲載した書物は、当時に出版された古い書物ばかりですが、ここに掲載した書物を読んでほしいという意味ではないので、念のため。 ちなみに、私は、独立開業した数年後に、これらの書物から学んだことに対して、べつの道を歩むことを決断しました。企業として事業を拡大することを考えないで、「(データベースの設計法を) 研究すること」 を主眼にして企業を継続する決断をしました--言い換えれば、事業を営んで 「儲ける」 ことを捨てた訳ですから、およそ、企業としての存在を変則的な道に舵取りした訳です。私は、大学に所属する研究者でもないし大企業の研究所で働く研究員でもない道を選びました。そして、私は貧乏になりました (笑)。そういう やりかた が、企業のありかたとして良いことなのかどうか という点を私は、いまも、悩んでいます。悩んでいても 「景気づけの酒一杯」 として、こういう類の書物を私は、もう、読みません。なぜなら、そういう道とは べつの道を歩んだ訳ですから。 |
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