2002年 3月31日 白地の小切手 >> 目次 (作成日順)
  ● QUESTION   白地 (未使用の) 小切手は、どう扱えばよいか。
  ▼ ANSWER   「resource」 なら 「資源管理」 として、「event」 なら 「状態の推移」 として扱う。
2007年 5月 1日 補遺  



  以下の 2つの扱いができる。

   (1) 「event」 として扱う。
   (2) 「resource」 として扱う。

 (1) は、「未使用」 状態を 「null」 として考えて、「状態の推移」 として扱うことをいう
 (2) は、「未使用」 状態を 「資源の保管」 としてみなして、小切手の 「連番」 を管理する

 (1) は以下のような データ 構造になる。


 ┌─────────────────┐     ┌──────────────────┐
 │       取引先      R│     │       小切手       E│
 ├────────┬────────┤     ├─────────┬────────┤
 │取引先コード  │取引先称    │     │小切手番号    │日付      │
 │        │        ├┼───<│取引先コード(R)│        │
 │        │        │     │         │        │
 │        │        │     │         │        │
 │        │        │     │          │        │
 └────────┴────────┘     └─────────┼────────┘
                                   │
                       ┌────────────┘
                      │
                      × null (日付、...)
                      |
          ┌───────────┴────────────┐
          |                        |
 ┌────────┴────────┐     ┌─────────┴────────┐
 │       未使用       │     │        使用済       │
 ├────────┬────────┤     ├─────────┬────────┤
 │小切手番号   │        │     │小切手番号    │日付      │
 │        │        │     │取引先コード(R)│        │
 │        │        │     │         │        │
 │        │        │     │         │        │
 │        │        │     │          │        │
 └────────┴────────┘     └─────────┴────────┘

 


 (2) は以下のような データ 構造になる。

 ┌─────────────────┐     ┌─────────────────┐
 │       取引先      R│     │       小切手      R│
 ├────────┬────────┤     ├────────┬────────┤
 │取引先コード  │取引先名称   │     │小切手番号   │        │
 │        │        ├┼─○─<│        │        │
 │        │        │  │  │        │        │
 │        │        │  │  │         │        │
 └────────┴────────┘  │  └────────┴────────┘
                      │
                      │
           ┌──────────┴──────────┐
           │     取引先. 小切手. 対照表     │
           ├──────────┬──────────┤
           │取引先コード(R) │日付        │
           │小切手番号(R)  │          │
           │          │          │
           │          │          │
           └──────────┴──────────┘

 


 (1) は、小切手を保管している部署と、それを使う部署が同じであることが想像できる。
 (2) は、小切手を保管している部署と、それを使う部著が相違していて、保管している部著は、小切手の番号を使って小切手をいくつかの 「束」 にして、それぞれの 「束」 をそれぞれの使用部署に割り当てていることが想像できる。

 



[ 補遺 ] (2007年 5月 1日)

 本 エッセー のなかで、「現実の」 小切手を指示する 「事実的な 『F-真』」 は、(1) では、「event (の小切手)」 であり、(2) では、「対照表 (で言及される小切手)」 である。「事実的な 『F-真』」 の指示規則を鑑みれば、「事 (物) としての小切手」 と 「言・辞 (管理情報) としての小切手」 が ズレ ている興味深い事態ですね。もっとも、(2) に対して 「みなし 概念 (概念的 スーパーセット)」 を適用すれば、以下のように、データ 構造上 (実装形では)、(1) も (2) も 「同じ」 テーブル 構造になります。

 ┌───────────┐    ┌───────────┐
 │    取引先   R│    │    小切手   R│
 ├─────┬─────┤    ├─────┬─────┤
 │取引先コード│取引先名称│    │小切手番号│     │
 │     │     ├┼○─<│     │     ├┐
 │     │     │ │  │     │     ││
 │     │     │ │  │      │     ││
 └─────┴─────┘ │  └─────┴─────┘│
               │               │   ┌─────┐
               │               ├←×─┤ 小切手 │
    ┌──────────┴──────────┐    │   └─────┘ 
    │     取引先. 小切手. 対照表     │    │概念的 スーパーセット
    ├──────────┬──────────┤    │
    │取引先コード(R) │日付        │    │
    │小切手番号(R)  │          ├────┘
    │          │          │
    │          │          │
    └──────────┴──────────┘

 
 テーブル 構造が同じになっても、(1) と (2) では、管理の しかた がちがう点に注意して下さい。言い換えれば、TM (T字形 ER手法)は、テーブル 構造を作ることのみを対象にしているのではないという点に注意して下さい。




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