2003年 5月16日 作成 | 民俗学 (衣食住) | >> 目次 (作成日順) |
2007年10月16日 更新 |
「衣食住」 を扱った概説書を紹介します。 なお、古代から江戸時代までの衣食住については、日本史のなかで扱います。江戸時代については、すでに、「日本史」 のなかで記載しましたが、(古代から) 江戸時代以前については、後日、記載します。 |
[ 読みかた ] (2007年10月16日)
前回述べましたように、日本人の 「歴史」 に関して、私の興味は、「当時、どういう生活をしていたか」 という点に注がれています。そして、昔の人たちの生活に関して、私の頭のなかに描かれる絵 (しかも、写生画) として、「庶民の ふだんの生活」 が モチーフ になっています。したがって、「衣食住」 が その絵の画材となります。そのために、「衣食住」 に関する文献を読んで、「当時、どのような物を使って、どのような生活をしていたのか」 という絵を、専門的な時代考証ほどに厳正でないにしても、「庶民の風俗史」 の絵巻物として、できるかぎり、細部に至るまで再現したいというのが、「歴史」 のなかに生きて名を遺さなかった無数の庶民に対する私の共感です。しかしながら、「共感」 とは言っても、たとえ、当時の生活を物に即して再現したとしても、当時の人たちの考えかた・気持ちを 「招魂」 するほどの想像力が私にはないことを認めざるを得ない。庶民は 「無数」 であるがゆえに、「顔」 が見えてこないのです。喩えてみれば、演劇で舞台装置が揃って、舞台が整えられたにもかかわらず、登場人物がいない、というような ひっそりとした舞台なのです。過去の人物の考えかた・気持ちを忖度するには、やはり、伝記をはじめとした豊富な資料が遺っている英雄的個人を対象にせざるを得ないのかもしれない。「新英和笑辞典」 (郡司利男 編、研究社) のなかに、以下の絶妙な文が記載されています。 average man (並みの人) A ghost that everybody talks about but nobody has ever seen. 「ふつうのひとたち」 という日本語に対応する英語は、「ordinary people」 ですが--そういう題名の映画がありましたが--、「average」 というのは、統計上で計算された平均ということでしょうね。 私は歴史家でもないし民俗学者でもないので、往時の庶民生活を史料を使って再現しようとしても、とどのつまり、立ち往生して、専門家たちが調査なさった個々の事物の歴史を好事家なりに博識 (ものりし) として学習する域にとどまるにすぎないことは、もとより承知のうえですが、好事家は好事家なりに、それぞれの史料のあいだに聯関 (れんかん) を立て、昔の人たちの生活を 「再現」 したいという大望を抱いています。 |
▼ [ 衣 ] ● 日本服飾史、北村哲郎 著、衣生活研究会 ● 日本服飾史要、江馬 務 著、星野書店 ● 日本服装史、和田辰雄 著、雄山閣 ● かぶり物 昔と今、岡田全弘 著、東京・エディトリアル・プロダクション ● 元禄小袖から ミニ・スカート まで (日本の ファッション 300年絵巻)、戸板康二、サンケイ・ドラマ・ブックス 22 ● 日本最古の医学全書 医心方にみる美容 (王朝人の秘法)、榎 佐和子 編・訳、ポーラ 文化研究所 ● 改訂 日本結髪全史、江馬 務、東京創元社 ● 日本の理髪風俗 (日本風俗史学会 編、風俗文化史選書 6)、坂口茂樹 著、雄山閣 ● 入浴・銭湯の歴史、中野栄三 著、雄山閣 BOOKS 16 |
▼ [ 食 ] ● 本朝食鑑 (1〜5)、人見必大 著、島田勇雄 訳注、平凡社 東洋文庫 ● たべもの日本史総覧、新人物往来社 ● 資料食物史、雄山閣 編 ● 日本の食物誌、近藤 弘、毎日新聞社 ● たべもの日本史 (万葉の味から ラーメン まで)、多田鉄之助、新人物往来社 ● 味の日本史、多田鉄之助、新人物往来社 ● にっぽん台所文化史(増補)、小菅桂子、雄山閣 ● 歯の風俗誌、長谷川正康、時空出版 |
▼ [ 住 ] ● 日本住宅史図集、住宅史研究会 編、理工図書 ● 民具入門、宮本馨太郎、慶友社 ● 日本史小百科 家具、小泉和子 著、近藤出版社 ● 民具の歳時記、岩井宏實、河出書房新社 ● 民具の世相史、岩井宏實、河出書房新社 ● 和風探索 (にっぽん道具考)、GK 道具学研究所・山口昌伴、筑摩書房 ● 日本玩具史、有坂與太郎 著、思文閣出版 ● ヴィジュアル <もの> と日本人の文化誌、秋山忠彌、雄山閣 ● 昔からあった日本の ベッド (日本の寝具史)、小川光暘 著、Edition Wacoal ● 寝所と寝具の歴史 (日本風俗史学会編集、風俗文化史選書 7)、小川光暘 著、雄山閣 ● 寝所と寝具の文化史、小川光暘 著、雄山閣 BOOKS 15 |
▼ [ 貨幣 ] ● 図説 日本貨幣史 (復刻版)、日本学術協会 編、展望社 ● 日本通貨変遷図鑑 (復刻版)、日本通貨史料協会 ● (維新際) 貨幣取調書、官版、御用御書物庁 ● 物価の話、牧野輝智 著、朝日常識講座 (第 7巻) |
<< もどる | HOME | すすむ >> | |
読書案内 |