2004年10月16日 作成 読書のしかた (「索引」を作る) >> 目次 (作成日順)
2009年11月 1日 補遺  


 
 TH さん、きょうは、「索引」 について考えてみましょう。

 
 一冊の書物の形式を、執筆するひとの観点に立って考えてみれば、文というのは、「問わず語り」 のなかで、かつて、作文技術として綴った体系にしたがって執筆されています。(参考)
 すなわち、1冊の書物は、或る思想を、或る構造として提示している、ということです。

 したがって、読むひとの観点に立って考えてみれば、書物は、まず、提示された 「構造」 を、なぞるようにして、忠実に読むことになります。それが、論旨を理解する、ということです。

 もし、その書物を読み下すことが目的であれば、あるいは、その書物が提示した思想を、的確に把握して、みずからの考えかたのなかに取り込みたいのであれば、丁寧な ノート を作成するでしょう。

 ただ、その書物を、多々、参照するけれど、ノート を作成する余裕がないなら、「索引」 を作れば良いでしょう。
 書物には、あらかじめ、「索引」 が用意されていることが多いのですが、用意されている 「索引」 は、たいがい、おおまかですし、「索引」 が用意されていないこともあったりして、のちのち、或る概念 (あるいは、文) が、書物のなかの どの ページ に記述されていたのか、ということがわからなくなって、その概念 (あるいは、文) を探すときに、多大な労力を浪費してしまいます。

 デジタル 出版物なら、(「索引」がなくても、) 「検索機能」を使えば良いのですが、すべての書物が デジタル 出版物になっていないので、「紙」 の出版物に対しては、「索引」 を作るしかない。
 読書中、のちのち、参照すると思われる単語を、○ で囲んだり、あるいは、下線を引いて、そして、再読の際、それら (単語と ページ) を拾って、一覧表 (「索引」) を作成すれば良いでしょう。

 原典に対して、調査資料として、丁寧に作成された 「索引」 は──書物のなかに記述されている語彙のすべてに対して作成された 「索引」 は──、単独の (一冊の) 研究文献に値します──たとえば、「読書案内」 (日本古典文学) のなかには、そういう 「總索引」 を、いくつか記載しています。
 そういうふうな専門家向けの (本式の) 「索引」 集を作らなくても良いですが、みずからが、多々、参照する文献に対しては、もし、ノート を作成する余裕がないのなら、「索引」 を作れば、大いに役立つでしょう。

 
(参考) 274ページ、278ページ、282ページ、286ページ、290ページ および 294ページ を参照されたい。

 



[ 読みかた ] (2009年11月 1日)

 取り立てて補遺は要らないでしょう。「うまずおこたらずに」 「索引」 を作るしかない。「索引」 を作るときには、拾った単語を パソコン の notepad を使って、たとえば、五十音順に縦に並べて記入して、ページ を それぞれの単語の横に追記してゆけばいいでしょう──したがって、同じ単語が いくつかの ページ で説明されていて、それらの説明が同じでないなら [ 言い換えれば、補足されているとか、拡大されているなら ]、ページ は複数 追記されます。「索引」 を作り終わったら、それを印刷して、フォルダ (あるいは、封筒) にいれて、書物と 一組にして本立てに置けばいい。「索引」 の ページ 数が少ないのであれば、「縮小印刷」 して、書物のなかに挟んでおけばいいでしょう。





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  佐藤正美の問わず語り