2006年 3月16日 作成 | 対照表の性質 (構文論と意味論) | >> 目次 (作成日順) |
2010年 4月16日 補遺 |
(1) 対照表と 「event」 との対応 (2) 対照表と 「resource」 との対応 TM の文法では、(1) は──(1)-1 であれ、(1)-2 であれ──、対照表の (R) を 「event」 のほうに送り込み、(2) は、新たな対照表を作ることにしている。すなわち、(1) であれ、(2) であれ、対照表を 「構成表」 として考えている文法である。 aRb として、a および b が 「resource」 であれば、R (対照表) は 「event」 として作用することは確かである。ただ、R は、以下の 2つの性質を示す。
(1) 過程としての組織 (-ing、動作) (1) が 「event」 としての性質を示す対照表であり、(2) が 「構成表」 としての性質を示す対照表である。データ 設計のなかに、意味論を導入したときに悩んだ点が、この点だった。たとえば、以下を考えてみる。
(1) {従業員番号 (R)、部門 コード (R)}.
(2) {生地 コード (R)、サイズ・コード (R)}.
(3) {生地 コード (R)、サイズ・コード (R)、カラー・コード (R)}.
TM では、構文論上、対照表は 「構成表」 としての文法を適用する。
「『event』 と 『構成表』」 の論点は、たぶん、関係主義と実体主義のはざまにある深淵 (論点) だと推測しているのですが、小生は、いま、数学の モデル 理論を学習していて、哲学のほうを後回しにしています。 |
[ 補遺 ] (2010年 4月16日)
「対照表」 は、TM (T字形 ER手法の改良版) の 「関係文法」 に従って生成される集合 (セット) です──TM は、セット 概念 (ZF の公理系) を前提にしています。したがって、「対照表」 は、セット 概念として、以下のように 「解釈」 されます。
(1) 対の公理 「対の公理」 というのは、ふたつの集合を メンバー とする集合 x が存在する、ということ。「和集合の公理」 とは、部分集合 a [ 分出公理、{ x ∈ a | f (x) } ] にふくまれる集合の和集合が存在する、ということ。「置換公理」 とは、x ∈ X において、f (x) があるなら、{ x ∈ X | f (x) } は集合になる、ということ。 したがって、「対照表」 は、単純に云えば、「和集合」 です。そして、その性質 f (x) は、「日付」 を規準にします。すなわち、
「対照表」 のなかに、実 データ として、「日付」 が存在するか、あるいは、「日付」 を仮想したいとき、 逆に言えば、そうでないときには、「resource」 として 「解釈」 する、ということです。ただし、「resource」 として 「解釈」 する場合、基本的には、「制約・束縛」 を示す 「くり返し使われる抽象的な存在」 であることが多い。 しかし、時折、「対照表」 が 「resource」 を 「F-真」 として指示することもあります。その例が 「赤本」 の最終 ページ で記述した 「銀行の支店」 の例とか、本 エッセー で示した 「商品 (の原型)」 { 生地 コード (R)、サイズ・コード (R)、カラー・コード (R) } の例です。 したがって、「対照表」 は、構文論・意味論の観点では、以下のように まとめることができるでしょう。
(1) 構文論では、「対照表」 は、ふたつ (以上) の 「resource」 の束である。 「対照表」 は、構文論では、「resource」 の束なので、「resource」 としての文法を適用します。すなわち、「対照表」 と 「event」 とのあいだで 「関係」 を構成すれば、「対照表」 になかで使われている個体指定子 (R) が 「event」 に侵入し、「対照表」 と 「resource」 のあいだで 「関係」 を構成すれば、新たな 「対照表」 を構成します。 |
<< もどる | HOME | すすむ >> | |
▼ ベーシックス |