「中沢家」 の TMD (TM Diagram) を、前回から ひき続いて、推敲しました。
1. 周延 (distribution)
(1) 数学上、「分割と細分」
(1)-1 分割 (partition)
集合 A の部分集合の族を考えてみる。
集合族 π が、以下の2つの条件を満たすなら、π を A の分割という。
● S ∈ π ∧ T ∈ π ∧ S ≠ T ⇒ S ∩ T = φ.
● A = ∪ S.
S∈π
そして、分割 の メンバー である集合のことを 「類」 という。
上述した式が示していることは、単純に言えば、以下の意味である。
● A は、「集合の集合」 である。
● π は、A の部分集合を集めた全体である。
● π は、S と T から構成される。
● S と T は、交叉しない。
(1)-2 細分 (refinement)
R1 と R2 が、A 上の同値関係である、とする。
∀ x, y ∈ A に対して、xRy1 ⇒ xRy2 が成立するならば、R1 は R2 の細分である。
言い換えれば、A/R1 ⊆ A/R2 のこと。
単純に言えば、A/R1 は、A/R2 を、さらに、こまかに、仕切った状態である。
(2) モデル上、「階数と次数」
分割と細分を、T字形風に記述すれば...
┌─────┐
│ │
│ │
└──┬──┘
│
┌───┴───┐
│ │
分割 ┌──┴──┐ ┌──┴──┐
──────┼─────┼─┼─────┼──→ 次数
│ │ │ │ │
│ └──┬──┘ └─────┘
細分│ │
│ ┌───┴───┐
│ │ │
│ ┌──┴──┐ ┌──┴──┐
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ └─────┘ └─────┘
↓
階数
したがって、TM では、サブセット の交叉を認めていない。
(3) entity を table に翻訳する。
(3)-1 TM では、「メンバー と集合」 は、第一階 (実 データ と、その集合) で考える。
(3)-2 管理過程では、「区分 コード」 で、1つの集合を、さらに、詳細に管理している。
(3)-3 「区分 コード」 は、実 データ と その集合のあいだで、部分集合として作用する。
(3)-4 「区分 コード」 は、「場合分け」 として作用する。
(3)-5 「区分 コード」 で示された部分集合が交叉すれば、「場合分け」 が複雑になる。
(cyclomatic complexity)
(3)-6 「集合 (部分集合)」 を作ってみて、メンバー の例外がいないことを検証する。
(3)-7 TM 上の個体 (実 データ) が、個体として交叉しないように検証する。
(「出たか妖怪、男かつ女」)
2. 定数 (constant)
(1) 全称の単称化 ∀x P(x) ⇒ P(x1).
(2) 全称の存在化 ∀x P(x) ⇒ ∃x P(x).
(3) 単称の存在化 P(x1) ⇒ ∃x P(x).
(4) 定数 P(a) ⇒ ∀x P(x). [ a は定数 ]
3. 定数の構成 (モデル)
(1) 構文論上...
(「木 (tree) 構造」 を応用した) 「タブロー (tableau) 法」 風に、
┌─────┐
│ R│
│ entity │
│ │
└──┬──┘
│?
┌───┴───┐
│ │
┌──┴──┐ ┌──┴──┐
│ │ │ │
│ 定 数 │ │ その他 │
│ │ │ │
└─────┘ └──┬──┘
│?
┌───┴───┐
│ │
┌──┴──┐ ┌──┴──┐
│ │ │ │
│ A │ │ ¬A │
│ │ │ │
└─────┘ └─────┘
「構造」 としては、これで良いのですが、TM 上、論点になるのは、どのような区分 コード
を使うのか、という点です。
(2) 意味論上...
みなし概念 (VE) を使って、
┌─────┐ ┌─────┐ ┌─────┐
│ VE│ │ R│ │ VE│
│ 定 数 ├┼─┼┤ entity ├┼─┼┤ A │
│ │ │ │ │ │
└─────┘ └─────┘ └─────┘
以上の検討の道筋は、tm-net に アップロード されている講義録を参照して下さい。